学校教育とSDGs

2020年10月4日

「人類史の潮流を変えはじめたSDGs」

甲府市倫理法人会の経営者モーニングセミナー

9月30日の早朝、甲府市倫理法人会の経営者モーニングセミナーにおいて、「人類史の潮流を変えはじめたSDGs」というテーマで約40分間話をしました。

参加者は30人弱でしたが、会場は甲府市商工会議所の5階大会議室。コロナを配慮して大きな会場に分散して着席するよう配慮されていました。演台には中秋の名月をあしらった花が生けられ、その下には紅色のカラスウリが4個。季節感たっぷりの環境を準備されていました。さすがに倫理法人会の皆様、終始姿勢正しく、集中して聞いていただき、気持ちよく話をすることができました。

SDGsの現状と課題

話の前半では、SDGsの概略の説明で、目標1から目標17までのすべてについて、近年の推移を示すグラフや図を付したスライドを使って説明しました。そのうえで、SDGsの現状と課題として、

1.社会的な状況は、大きく改善されている。MDGs(ミレニアム開発目標:2001~2015)により、途上国での改善は著しい。

2.経済的な状況は、予断を許さない。格差は着実に拡大しており、AIの進展による労働環境の変化が幸せをもたらすかどうかは不透明。

3.生態的な環境は、一層悪化している。地球温暖化や生物多様性の減少は深刻な事態にあるが、事態を好転させる動きは不十分。

4.平和や公正に向けた取り組みや、様々なパートナーシップは着実に進展している。

とまとめてみました。

下のスライドは、目標11「住み続けられるまちづくりを」の説明で用いた図です。社会インフラの老朽化が進む図を示しながら、人口減少社会に入った日本では、新たな利便を求める公共事業からの勇気ある撤退も、SDGsに貢献することであると述べました。

人類史の潮流の変化に主体的参画を

後半では、以下の3つの事例を紹介し、そこからの類推として、下のスライドを用いて、利便・欲望・利益追求と中央主権・大都市集中に向かっていた人類史の潮流が、社会や環境を重視し、地方への分権や還流へと大きく変化し始めており、そこには「SDGsの理念」や「SDGsの価値観」の広がりが大きな影響を及ぼしていると述べました。

①経済界では、これまでの利益一辺倒から「社会や環境が正常に機能してこその経済活動」と認識をかえはじめており、その背後には環境、社会、企業管理を重視する企業に限定して投資するESG投資が拡大している。

②コロナ禍の中で中央政府より地方自治体の存在感が増している例挙げながら、特に「SDGs未来都市」のプレゼンテーションを見ていると、地方自治体が中心となって地方創生に向けて積極的に取り組み始めている。

③学校教育においても、文部科学省が学校以外の様々な機関や団体が、子どもたちをアクティブラーナーに育てるという将来構想を描いているが、個々の学校ではそれを先取りした実践が試みられており、杉並区立西田小学校の「NISHITA未来の学校」では、大人と子どもが同じ立場で発表・質疑・応答をする双方向の学びが展開されていた。

そして、最後に「これからのSDGs時代にあっては自ら参画すること、そして周りの人たちに参画を促すことが、持続可能な社会を構築するためには最も重要なのではないか」と述べて締めくくりました。

モーニングセミナー終了後の朝食会にも招かれましたが、そこではほぼ全員の方から講演に対する好意的な感想をいただきました。また、何人かの方々からは、SDGsの何らかの目標につながる取り組みの実践事例の紹介もありました。

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