日本の大学は大都市圏、特に首都圏に集中しています。そのため、高校卒業・大学進学を機に地方から首都圏に大量の若者が移動する現象がずっと続いてきました。「地方の活力を維持していくには、この流れを断ち切らねばならない。そのためにも、地方に魅力的な大学を作る必要がある」と考える仲間が、かねてより「アクティブ・ラーニング研究会@学習院」という内輪の研究会で構想を膨らませてきたのが「小規模分散型低学費大学」です。
去る6月21日に、同研究会の代表でもある諏訪が、環境自治体会議WEB講演会で約1時間、大学の地方への分散が求められていること、その場合も、定年退職者や半農半Xの移住者などの多様な人材を活用することで低学費に抑えるべきことを熱く語りました。「小規模分散型低学費大学」を八ヶ岳山麓に開設することは、NPO法人八ヶ岳SDGsスクールの将来構想の一つでもあります。さいわい、いくつかの地域でも同じように地域課題解決型の大学を作ろうという動きが生まれており、「設立後はインターネットを通して授業を共有しましょう」とか、「互いの大学を訪問して、自由に受講し、単位も取得できるようにしましょう」というような大学間のネットワーク構想も生まれています。なお、環境自治体会議は、その後他の団体と合流し、「持続可能な地域創成ネットワーク」と改称しており、10月11日、12日に開催予定の同ネットワークの設立記念大会でも、グループセッションで「小規模分散型低学費大学」のカリキュラム構想について意見を交わす予定です。同ネットワークには、地方自治体の首長も30名ほど参加しており、「小規模分散型低学費大学」が実際に誕生する可能性が広がってきました。
下の2つの図は、6月21日のWEB講演会で使用したPPTの一部です。